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血液検査

■血液検査


血液は全身の健康状態を反映します。臓器などが障害を受け細胞が破壊されると、その臓器特有の物質が血液中に流れ出るからです。

基準値は健常な方の95%の方が入る範囲ですので、この範囲から外れることもあります。

「H」は基準値よりも数値が高い時、「L」は基準値よりも低いことを示しています。

○末梢血

項目

基準値

検査の意味

赤血球数(RBC)

(10/μl)

男性:365~600

女性:350~550

酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目をしています。多ければ多血症、少なければ貧血が疑われます。

血色素量(Hb)

(g/dl)

男性:13.1~18.0

女性:12.1~16.0

赤血球の含まれるヘモグロビン(血色素)は酸素を運ぶ成分です。貧血の指標になります。多ければ多血症、少なければ貧血が疑われます。

血球容積比(Ht)

(%)

男性:38.0~51.0

女性:36.0~47.0

血液中に赤血球が占める割合を%で示しています。貧血の時低下し、多血の時増加します。

平均赤血球容積比(MCV)

(fl)

83.6~98.2

赤血球1個の平均的な容積であり、赤血球の大きさの指標となります。貧血の種類と原因の特定に役立ちます。

平均赤血球ヘモグロビン(MCH)

(pg)

27.5~33.2

赤血球1個の含まれるヘモグロビン量を表したものとなります。貧血の種類と原因の特定に役立ちます。

平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)

(%)
31.7~35.3
赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比率(%)を表しています。貧血の種類と原因の特定に役立ちます。

白血球数(WBC)

(×100/μl)
33~86
感染症や炎症が起こると白血球数が増加します。骨髄の働きが低下したり、古くなった血球を壊す脾臓の働きが異常に亢進した時は減少します。

血小板数(Pt)

(×10,000/μl)

15.8~34.8
出血を止める役割をしています。極端に少ないと出血を起こしやすくなります。採血の際、使用する抗凝固剤の影響で低値を示す体質の方もいます。そのような方は異なる検査薬を使用し検査します。


○肝・胆・膵臓系

項目

基準値

検査の意味

AST(GOT)

(U/l)

~30

肝臓をはじめとする心臓や筋肉、腎臓等の臓器にも存在する酵素です。これらの臓器が障害されると酵素が血液中に多く放出され、数値が高くなります。

ALT(GPT)

(U/l)

~30

AST同様、多くの臓器に存在します。特に肝細胞の変性に敏感に反応しますので、ASTに比べてALTが高いときは肝障害が考えられます。

γ-GT(γ-GTP)

(U/l)

~50

たんぱく質を分解する酵素の一つです。肝臓や胆道に病気があると高値を示しますが、薬剤やアルコールの影響でも高値を示します。

アルカリフォスファターゼ(ALP)

(IU/l)

106~322

肝臓、胆管、骨、胎盤などに多く分布します。これらの臓器疾患で高値を示します。

コリンエステラーゼ(CHE)

(U/l)

男性:240~486

女性:201~421

たんぱく質を作り出す肝臓の能力をみる検査です。肝障害や栄養障害で低下し、ネフローゼや脂肪肝で高値を示します。

乳酸脱水素酵素(LDH)

(U/l)
124~222
細胞内で糖がエネルギーに変わる時に働く酵素で、肝臓、心臓、腎臓、筋肉、血液などに多くの組織・臓器に存在します。よって、LDHが含まれている臓器が障害されると高値になります。また運動によっても高値を示します。

総蛋白(TP)

(g/dl)
6.6~8.1
タンパク質の量を計測します。栄養状態の悪化や、肝臓、腎臓の機能低下で低値を示します。

アルブミン(ALB)

(g/dl)
4.1~5.1
血液中の水分を一定に保つ働きを持ち、ほとんどが肝臓で産生されるので肝障害の指標となります。腎臓病や低栄養で低値を示します。
A/G比
1.3~2.3
アルブミンとグロブリンの比率です。健康な状態ではアルブミンが多く1以上です。肝疾患、ネフローゼ、自己免疫疾患などで1より低値を示します。

総ビリルビン(T-Bil)

(mg/dl)
0.4~1.5
赤血球が古くなって壊れるときに出てくる物質です。黄疸の程度や肝臓、胆道系の障害があると高値を示します。
胆道系酵素(LAP)(U/l)
34~63
肝臓、腎臓、腸などに多く存在します。胆道が詰まり、胆汁の流れが障害されると高値を示します。

アミラーゼ

(U/l)
44~132
膵臓や唾液腺から分泌される糖質分解酵素です。主に膵臓に異常があると高値を示しますが、飲酒や肥満唾液腺の炎症でも値が変動します。


○脂質系

項目

基準値

検査の意味

総コレステロール(T-cho)

(mg/dl)

130~199

血液中に含まれる脂肪のひとつで、細胞やホルモンをつくるために必要な物質です。高値が続くと動脈硬化が進行し心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等が起こりやすくなります。

HDLコレステロール

(mg/dl)

40


善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。低値で動脈硬化を進行させます。

LDLコレステロール

(mg/dl)
~119
悪玉コレステロールと呼ばれるものです。高値が続くと血管壁に蓄積し動脈硬化を進行させます。

中性脂肪(TG)

(mg/dl)
空腹:~149
随時:~174
過剰に取られたエネルギーが、中性脂肪として蓄えられます。高値が続くと動脈硬化を進行させます。


○血糖

項目

基準値

検査の意味

血糖

(mg/dl)

空腹:~99

随時:~139

血液中のブドウ糖のことです。エネルギー源として全身に利用されます。数値は検査前の飲食物に影響されやすいです。糖尿病、膵臓疾患、ホルモン異常で高値を示します。

HbA1c(NGSP)

(%)

~5.5


過去1~2か月の血糖値の平均的な状態を反映するため、糖尿病のコントロールの状態がわかります。


○腎機能

項目

基準値

検査の意味

尿素窒素(BUN)

(mg/dl)

~20.0

たんぱく質が分解されたときにできる老廃物で、腎臓での排泄が低下すると血液中の尿素窒素が高値を示します。

クレアチニン(Cre)

(mg/dl)

男性:~1.10

女性:~0.80

筋肉を動かした後に出てくる老廃物で、腎臓でろ過されて尿中に排泄されます。腎機能低下で高値を示します。

e-GFR

(mi/min/1.73㎡)

60.0


クレアチニン値を性別・年齢で補正して算出します。腎機能が低下すると数値は低値を示します。


○尿酸

項目

基準値

検査の意味

尿酸(UA)

(mg/dl)

男性:3.6~7.0

女性:2.3~7.0

尿酸の生産・排泄のバランスを見る検査です。高値が続くと結晶として関節に蓄積し痛風発作を、腎臓に蓄積すると腎障害等を引き起こします。尿路結石もつくられやすくなります。


○その他血液

感染症

項目

基準値

検査の意味

CRP

(mg/dl)

~0.14

炎症、感染症や組織の障害、免疫反応障害などで高値を示します。

B型肝炎ウイルス抗原(HBs-Ag)

B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べます。抗原が陽性でも肝炎を発症するとは限りません。
B型肝炎ウイルス抗体(HBs-Ab)

B型肝炎ウイルスに対する抵抗力の有無を調べます。抗体が陽性であれば過去にB型肝炎ウイルスに感染したことを示します。予防接種で獲得した免疫の場合も陽性となります。
HCV

C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかの検査です。

ピロリ抗体

(U/ml)
~10
胃がん発症リスクの大きな要因であるピロリ菌の感染があるかどうかを採血で検査します。10U/ml以上で陽性。それ以下は陰性となります。
風疹抗体(EIA法)(IU/ml)
6.0~
風疹に感染したかどうかを調べる検査です。予防接種などで免疫を獲得した場合も抗体陽性となります。抗体価により十分な抗体を持っているかどうか推測できます。

HPV抗体




子宮頚部がんの原因となるウイルス(HPV)の感染があるかどうかを調べます。子宮頸部細胞診で採取した細胞を利用して検査します。

ハチ抗体

0


ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチそれぞれのハチ毒に対する抗体価を検査します。数値はクラス分類され、0は陰性、1は擬陽性、2以上は陽性を意味します。

腫瘍マーカー

項目

基準値

検査の意味

AFP

(ng/ml)

12.5未満

胎児の血液中にある蛋白質で、通常、血液中にはほとんど見られません。肝細胞がんの早期発見に最も有用といわれており、原発性肝がん(はじめから肝臓にできたがん)では、約40~50%の方に顕著な上昇がみられます。 

急性肝炎、肝硬変でも上昇することがありますが、原発性肝がんのような顕著な上昇はみられません。転移性肝がん(もともと他の部位で発生して、肝臓に転移してきたがん)では、ほとんどが陰性です。 

CEA

(ng/ml)
5.0未満
高値を示す場合、大腸がん、肺がん、子宮頸部扁平上皮がんなど可能性が考えられます。ただし、個人差が大きく、すべての癌患者で異常が見つかるわけではありません。早期発見には不向きですが、病気の進行の程度によって数値が上がるので、癌の経過を見る場合や再発、転移の可能性を見る場合などに有効な検査です。

PSA

(ng/ml)

65歳以上: 3.5未満

65歳未満: 3.0未満

前立腺がんリスクを調べる腫瘍マーカーです。陽性になる感度も高く、前立腺がんリスクの早期発見に有用といわれています。ただし、がん以外の炎症や前立腺肥大症などでも高値を示すことがあります。

CA125
(U/ml) 


~35.0


卵巣がんで陽性になる感度が高いだけではなく、子宮頸がん・子宮体がんにも反応する腫瘍マーカーです。ただし、CA125は腹膜、胸膜あるいは子宮・卵管内膜でも産生されるため、良性疾患や炎症性疾患でも上昇します。

CA19-9

(U/ml)

37.0未満


膵臓がん、胆管がん、胆嚢がんで80~90%、胃がん、大腸がんで30~50%の陽性率を示し、消化器系癌の腫瘍マーカーとして最も多く利用されています。肺癌や卵巣癌、子宮体部癌でも陽性となります。膵炎、胃炎、肝炎、良性婦人科疾患、気管支炎などの良性疾患でも高値となることがあります。


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