■臨床検査部門の事業について
①登録衛生検査所(臨床検査センター)として県内の各病・医院から血液検体や尿検体などをお預かりし、検査結果を報告しております。
②健診団体における検査部門として特定健診や職域健診といった健康診断の血液検体や尿検体などの検査を行い、健診部門へ
フィードバックしております。
検査を実施していく際に求められるのが検査の正確性ですが内部での精度管理はもちろんのこと、外部精度管理(日本医師会、
日本臨床衛生検査技師会などが主催する精度管理調査)にも積極的に参加しております。
実際の検査部門を簡単にご紹介いたします。
■生化学検査
血液や尿などに含まれる成分(蛋白、酵素、脂質、糖質、電解質)などの定量検査を行っています。これらを測定することで肝機能や
腎機能などの身体の状態を把握できるほか、多くの疾患の診断や治療効果の判定に使用されています。
■血液検査
血液中の赤血球や白血球の算定や、ヘモグロビンの量を測定して貧血や炎症の有無を調べています。
また、血液塗抹標本を作製して、顕微鏡で異常細胞などを観察して、血液疾患の診断などに用いられます。
血液が凝固しにくい出血性疾患や血栓ができやすい血栓性疾患に有用な検査として、凝固検査を行っています。
■免疫血清検査
血液型(ABO、Rh)検査、梅毒や肝炎ウイルスなどの感染症検査、甲状腺機能検査や各種腫瘍マーカー検査などを実施しています。
■一般検査
尿中に蛋白や糖が出ていないか、糞便中に寄生虫の卵が無いかなどを調べています。また、糞便中に血液が混ざっていないかを検査する
ことで、大腸からの出血の有無を調べ大腸がんの早期発見を目指します。
小学校から高校までで実施している尿検査、幼稚園・保育所や小学校などで実施している寄生虫卵、ぎょう虫卵の検査も行っています。
■微生物検査
感染症を疑う症状が現れた際に、喀痰・咽頭粘液・糞便・尿・血液・膿などから病原体となる細菌(起炎菌)がいないか検査します。
培地から分離された細菌を質量分析法で測定することで、約10~30分で菌名を得ることが出来ます。また、どのような薬剤(抗菌薬)が
有効であるかを検査し治療に貢献します。
ヒトの血液の中は通常、菌は存在しませんが、免疫の低下などの理由により、菌が侵入することがあります(菌血症)。機械を使用して
血液を培養することで、菌血症の有無を検査します。
結核菌の培養は時間がかかりますが、遺伝子検査をすることで、数時間で結核菌の有無がわかります。
■病理組織検査
手術の際に摘出した臓器や、胃内視鏡検査等の際に採取した米粒ほどの大きさの組織から標本を作製して悪性腫瘍や炎症などが無いかを
診断します。
■細胞診検査
検診などの際に採取された喀痰や尿、婦人科のスメアなどの中の細胞に悪性細胞(がん細胞)がないかどうかを顕微鏡で観察し診断します。
下部の画像の機器を用いて標本を作製することで、検査の精度を向上するとともに肺がんや子宮がんの早期発見に努めています。
■検査案内
検査案内2024.pdf (2024-06-01 ・ 2000KB) 令和6年度改定の検査案内冊子です。 |